メタファーの境界

30代になった女の日記です。日常の肥溜めの上澄みみたいな感じ。

Aと彼氏とミームになった死んだ彼氏

Aと会ってきた。結論から言うと、彼氏とAが会ってくれることになった。


8/22土曜日、私の家で彼氏と二人で晩ご飯を食べた。その後、一番私の気持ちが伝わりやすいかなと思い、身バレするけどこのエントリを彼氏に読んでもらった。読み終わった後に彼から「Aさんじゃなくて僕でいいの?」と確認が入った後、「彼氏が出来たって伝える必要はないんじゃない?」と言われたけど、続けてこれこれを読んでもらって「Aさんと一緒に花火やろうか」と彼氏が提案をくれた。花火はちょっと前に私がスーパーの安売りで買ってきて、やる日が延び延びになってた手持ちのやつだ。

 
8/26水曜日、Aと会って彼氏が出来たこと、彼氏と会ってほしいことを伝えた。「私にとって大事な人同士の二人が仲良くしてくれたらすごく嬉しいんだよね」と言うと、「君はそういうところがあるよな」と言われた。Aは「ちょっと話が急過ぎて…」と最初は彼氏と会う必要性のなさをちょっと説いたけど、「ご飯ぐらいなら。花火は意味が分からない…」と花火ではなく食事に一緒に行ってくれる事になった。私が感じ取れた限りでは、私が考えていたより、Aは私に対し特別な感情はないようだった。

 


以前の私は「大事な人同士が仲良くしてくれたら嬉しい」なんて考える人間ではなかった。ちがうコミュニティの人同士を自分を介して会わせるなんて、恥ずかしくてドキドキして無理だった。これは死んだ彼氏から学んだことだ。

死んだ彼氏は自分の職場に私を誘ったり(働かなかったけど)、つくっている作品の共同制作者の女性に会わせたがったり、自分が大事にしている人達と私をくっ付けようとする発言をよくしていた。しかし奥さんの話だけは徹底して私にしなかった。これはおそらく今までの人生でポリアモリーが成立しないことを経験していたからだと思っている。でも彼にとって一番仲良くしてほしかったのは奥さんと私だったと思う。二人が仲良くなれば何に気を遣うこともないし、自分の愛する人同士が好き同士なんて素晴らしい事だ。愛は多い方がいい。

 


私はいま死んだ彼氏と同じ立場に擬似的に立っている。彼は奥さんと私を隔てようとしたけど、私は現彼氏とAをくっつけてやる。まあAと恋愛関係じゃないので、そこは大きな差だけど。何となく、拡大解釈したポリアモリーのようだなと思う。そのものじゃなくてもポリアモリーと親和性の高い感覚だと思う。

 

 


お茶を飲みながらAは二人が会う約束を取り付けられて喜ぶ私の気持ちに釘を刺すように「もし僕が彼と仲良く出来なくても、それは僕の問題だから。ほら重大な宗教の問題が発生するかもしれないし?」と仰々しく心配した。自分に熱心な信仰があるわけでもないのに。こういう自分の気持ちと相手への気遣いを混ぜて、深刻にせずトボけるセンスはAの賢さと優しさだなと思う。A自身は自分を賢いと思っておらず、私にそう思われるのを撤回したいらしいけど。

 


Aが駅まで送ってくれる道中、彼氏はサウナが好きで、将来彼と一緒にサウナを経営したい夢がある話をした。「10年ぐらいしたらAの奥さんと一緒に遊びに来てよ」と言うと「そういう事は言うもんじゃないよ」とAに言われた。でも言いたい事は何でも言っといた方がいい事を私は二年半前に学んだ。本当はそうじゃないこともあるだろうけど、基本方針は何でも話す方向で生きてる。今はそうなればいいと本気で思っている。もしAの大事な人と仲良くなれる未来が来るなら素晴らしい。

 


ヨドバシから阪急に向かう橋の上から見える空は薄い青とオレンジが混ざり美しかった。日が落ちるのが早くなったなと思う。高校生の頃、その時間の空を予備校の窓から眺めていたら「ああいうキラキラした空って綺麗やんな」とAが言っていた事を思い出した。いよいよ今日はご飯会当日。うどん屋。何話そう。なんか緊張してきた。