メタファーの境界

30代になった女の日記です。日常の肥溜めの上澄みみたいな感じ。

イデアの差

 ちょっと前に、そういやこんなことも読んだよ。

http://togetter.com/li/578484

こういうのも。
http://togech.jp/2014/05/30/9069

 

(´・ω・`)

 

実はここ数ヶ月、とあるインディーズのCDジャケットをつくっていました。こないだCDの発売記念ライブがあって行ってきて、7月カンボジアにいるときにお話をもらってから、いままで、やっと全て終わるなーというところです。

きっかけは卒展の私の作品を先方が気に入ってくれたこと。作品の側に置いていた名刺を大事に持っていてくれていて、CDを出すことになったから、と2年越しで連絡が来た、というものです。

先方のお友達が私と同じ授業受けてた方で私のことを知ってて(私はお名前だけ認識してた)、同じコースに私の塾の同期もいてて、そこから連絡が来ました。違うコースの授業を熱心に受けてたから目立つ学生だったんでしょう…(・ω・)

やった内容はCDジャケットにとどまらずアートワーク全般。ジャケットは撮影から画像加工、歌詞とか乗っけるレイアウト、全部で7回(!)ぐらいの修正に、入稿作業、どこが安いか、紙は何が使えるかなど印刷所の比較検討。打ち合わせも5回ぐらいやった。

プラス、ツイッターのヘッダー、修正一回、プロフィール画像の加工、

プラス、CD発売ライブのフライヤー(map含)。

 


撮影もあったし、掛けた時間は100時間オーバーだろうか。

全部タダでやった。

 

(・ω・)

 

いや、一応謝礼とCD貰ったけどね。ライブ代も含まれてたし、出力費とか交通費の実費相当かな。

 

最初はここまで話が沢山出てくるとは思ってもみなかった。

話をもらったとき、「こういうのっていくらでやるんだろう?」と思って、上司に相談したら、「友達価格でしょ」って言われて。私も素人ではないけど、プロというのははばかられたし、初めてのことだしで、そんな私がお金をとるだなんでおこがましいのか、と思って上司の言葉をそのまま受け入れた。

まあその上司は撮影からやるなんて思ってもいないだろうし(普通制作会社で働いてたら画像はプロのカメラマンのやつを使う)、もらった素材に歌詞載せる程度にしか考えてなかったんだろうけど…(・ω・)
私も撮影から入稿は想定していたけど、大量の直しやその他のことは思ってもみなかった。


で、最後の仕上げ(だと思っている)の撮影画像のほぼ全部を先方に送るためギガファイル便にアップしている合間にコレ打ってます。

これはご本人が写ってるのだけ。さすがに風景だけのは渡せないし、渡すのも商用不可って条件付けたけど。

 


(・ω・)

 


なんでタダでやったかというとね、上に挙げた理由も一つだけど、本気で音楽活動してる人だと思っていたから。すごく透き通った歌唱だし、メロディも癖がない感じで好みだったし、実力のある人だと思った。これからどんどん力をつけて行くステップの途中って感じで、応援したいなーと


撮影ぐらいまでは思っていたのだけど…。


「音楽で食べていくなんて無理だし、彼氏も音楽してるけど、就職してほしいって言ってる」って発言をその後の打ち合わせでされてしまいまして…そんなやっとCDつくるところまでやったのに、バイトすらしてないのに自分は棚に上げて、生業じゃなくて、趣味かよ、、と…なんかね、すごく騙された感じだった。

 


私の彼女の大きな認識の差はここから生まれているのだと思う。

創作活動をしている人だから、つくることに理解があると私は思ってた。一枚のビジュアルをつくることが簡単な労力ではないことを想像出来るはずだし、自身も曲をつくるにあたってその苦労を知っているだろうと思ってた。

 

 

でもいくらお金も時間も人の力も使ってても、その人にとっては自分の趣味の一部でしかないんだよね…。

 

 

それにアマチュアの音楽の世界って金銭感覚がほんと安いみたいで、例えば曲の収録で助っ人でカホン叩いて貰ったら、一日五千円とからしい。ごせんえんて。その一日のために練習もするだろうに、ほんとに謝礼の世界よね。

私がやった仕事量も彼女がぽろっと口にした感じでは本気でお金払って5万前後みたいだったし、そんな金銭感覚だったら、多分仕事量相当のお金払えないよね…。

 

 

今日思ったのだけど、
例えばパンを焼いて、「美味しかった、またつくってね」ってお金もらって、そのお金が暮らしの元になること、新しいパンを焼くこと、新しいパンを焼くモチベーションになることになって、それがローテーションする。


創作活動もまた、それが本質なんじゃないのかと思う。


バンドでも漫画とかのサブカルもそうじゃん。好きなバンドのライブ行って曲iphoneに入れて、twitterっで好きですって@送って、お金とか時間とか、何かしら払う。自分が楽しくなれるし、また自分の好きな曲をバンドが提供してくれて、行為が還元される。

 

その概念の共有が出来なかったとき、その差はお金で埋められる。基本的に相手の専門のことは自分ではわからないから解決方法としてお金で納得する。

 


私が今回納得出来なかったのは、たとえお金とったとしてもこの認識の差を埋められなかったから。

 

納得出来なかった中で、一番大きなエピソード。

出来上がったジャケット、表紙があんまり良くないんだよね…。相手がどうしてもこの写真がいいっていうのがあって、NHK教育みたいなCDの表紙になってしまった。

もうね、撮りたての写真の状態で見せるのはなんとしても拒否するのが良かったのかなあと思うくらい…トリミングとかの関係も含めて、写真を気に入っても出来上がりのモノは違うし、使いやすいのも使いにくいのもある。素材の段階で相手の裁量が入って、すごくやり辛かった。デザインの力(プレゼンの力かな。作品を気に入られてよばれたから、元々はアーティストとしてよばれたようなもんだし)が弱いと言われたらそこまでなんだけど、ほんとキツかった。

相手も最初「撮影をしてほしい」って言い回しで声をかけて来たから、最終的なグラフィックより自分の写り方が大事だったんだろう。写真の選別でカメラの液晶ずっと眺めてるから「コレ終わらんな」と思って取りあげるように打ち合わせも終わらせたし…。
まあでもこれは普通の人は「加工してください」って言わないからかな。

 


「これは弾き語りの歌のイメージに合わない、良くない」って言うこと、総数50枚を超える表紙の提案(苦笑)、「CDをつくることに詳しい第三者から意見をもらうことは出来ないか(実現しなかった)」って言うこと、やったけど、ダメだった。


コレは上で言うパン屋さんやバンドマンにはある「信頼」が私に対してはないんだよね。
自己満足だから、の一言に尽きるというか…

 


趣味と、それで仕事してる人の認識の差は、デカい。

 


つーやなんかもう全部終わったらちょっと説教したいぐらい(笑)。フライヤーも「写真載せるだけだからちゃちゃっと出来るかなーと。デザインどうでもいいし。」とか言われたりね。時間の掛からないどうでもいいものなら自分でやったらいいのに。それではほんとに依頼する意味がない。自分に置き換えてみればいいのに…。


でもこちらはそれが自分の創作物として残ってしまう以上、手を抜けないんだよね…。


あと就職したから安定するってのは幻想だ!(笑)


フライヤーの辺りで次何か頼まれたらお金とろうと思ってたらその次はなかった。
まあ画像渡すけど。つーかアップロードが終わんない。また後日でいいかな…。

 


しかしいい勉強になりました。
相手はビジュアルのプロではないこと。
お金はとること。


遠慮しないこと。
私も相手に負けないくらい自分が大好きで自身の意見を信頼してるって感覚を持つこと(むつかしー…)。


もし何か次似たようなことがあったら、今回の教訓を絶対活かすぞ(`・ω・´)